朝、目覚めて
何かが足りない気がした。
隣にキミがいない。ただそれだけ。
問題ないさ。
だって、
時間通りに起きられたし、
朝ご飯もちゃんと食べた。
ほら、何も問題なんてないだろう?
会社に行けば仕事が待っている。
心にぽっかり穴が開いても
気にする余裕はない。
いつもと同じさ。
目の前のタスクをこなして、
退屈な会議に参加して、
慌ただしく一日が過ぎていく。
やっぱり、いつもと同じさ。
気にすることなんてない。
ひとりの部屋でぼんやりと過ごす夜。
誰もいない。何もすることがない。
でも、大丈夫だよ。
すぐに慣れてしまうから。
あたり前になっていくから。
キミがいないことが、普通になるから。
だから、大丈夫だよ。
キミがいなくても。
夜も更けて、眠れない僕がいる。
隣にキミがいない。ただそれだけ。
そう、ただそれだけなのに、
どうしてこんなに胸が痛いんだろう。
問題ないと強がっても、
大丈夫だと言い聞かせても、
無駄なことだと、
眠れない夜が僕に教える。
キミがいない。
ただそれだけで、
僕の毎日は、
こんなにも色褪せてしまったよ。
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