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雪の降る夜は
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こんな日に、
僕はひとりきり、街をさまよっている。
雪が降った。しかも大量に。
そして、今も降り続いている。
こんな日に、
家にも帰れず、身動きがとれない。
電車が止まった。雪のせいで。
そして、夜は否応なく更けていく。
こんな日に、
凍てついた街に放り出されたまま、
どうにもならない身体と心を持て余している。
そのとき、僕の胸元が震えた。
思いがけないメッセージ。
ふと目線を上げれば、
少し先の交差点に、キミがいた。
こんな日に、まさか会えるなんて。
こんな日に、ふたりきりになれるなんて。
これはサンタクロースがくれたチャンス?
それとも、クリスマスの奇跡だろうか。
こんな日に、
僕はキミとふたり、街を眺めている。
雪が積もった。一面の銀世界。
朝日がキラキラとそれを照らす。
こんな日は、
もう少しふたりで、こうしていよう。
時を止めて、夜の続きを。
そして、ふたりはそっと微笑みを交わした。
朗読/蒔苗勇亮
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