「おかえりなさい」
そう言って僕を迎えるキミの笑顔。
それが見たくて、家路を急ぐ。
街路樹のバス通りを抜け、
やわらかな街灯の明かりに照らされた道を
まっすぐに進んでいく。
少し足早になりながら。
たとえ、冷たく澄んだ空気が
星たちを美しく瞬かせていても、
気持ちを惹かれることはない。
もっと美しい瞳が、僕を待っているのだから。
たとえ、静かな夜を縫うように
心癒すメロディが聴こえてきても、
この心を傾けることはない。
何よりも心ふるわす声が、僕を迎えてくれるのだから。
さあ、帰ろう。
キミの待つ我が家へ。
早く、帰ろう。
幸せのある場所へ。
扉を開ける。
あの頃のように心弾ませて。
けれど、キミはもう、いない…。
STORY's
ことばやコラム
YouTube
ことばやの仕事
お問い合わせ