11月26日(土)に新作映画『花子の日記』が公開となる
映画監督・松本卓也さんが、第3回のゲストとして登場!
映画について、監督稼業について、根掘り葉掘り聞いちゃいました。
――まずは、新作映画の予告編をご紹介した方がいいですよね?
「ですです。よろしくお願いしますっ!」
――“セイシ”をかけた戦いって、また随分と思いきった題材を…。
「最初のきっかけは、驚きというか、怒りというか、そういうものがありまして」
――牛のセイシに対して、ですか?
「いやいや、そうじゃなくて(苦笑)。実は、韓国のいちごってほとんどが日本のブランド品種なんですよ。知ってました?」
――そうなんですか。でもそれって…。
「まぁ、手っ取り早く言っちゃうと、種を日本からパクったわけですね。それが堂々と流通している」
――あぁ、そこに対する驚きと怒りなわけですね。
「そうなんです。いちごの品種に著作権はないのかと。これはいかんぞと」
――なるほど。でもこれって一歩間違うと、社会派ドキュメンタリーになりますよね。
「いや、むしろ一歩間違わないとそうなるんじゃ(笑)。でも、やっぱり僕自身はエンターテインメントにしたくて」
――いちごの話じゃなく、牛にしたのはどうしてですか?
「僕が牛肉が大好きなので」
――え、そこですか?(笑)
「そうそう。ブランド和牛だっていつ、いちごと同じことになるかもしれないと思うと…ね」
――今、ちゃんと訴えておかないとヤバイぞと。うーん、聞けば聞くほど硬派なテーマなんですけど。
「でも、最初の脚本ではおっさん同士が牛のセイシを奪い合うって話だったんですけどね」
――あ、もうすでにコメディな香りが(笑)。
「さすがにそれは暑苦しいし、絵面もよろしくないし。やっぱり女の子がいるなぁと」
――それで、父娘の話になっていくわけですね。
「まあ、あとは僕が韓国映画が好きだというのも影響してますね」
――それはどういう点で、ですか?
「向こうの親子関係って濃いというか、密というか。お互いに言いたいことを言い合って、本音でぶつかり合うじゃないですか」
――たしかにそういうイメージはありますね。家族の絆が強いという感じ。
「今の日本の親子関係とはずいぶん違うなって。どうしても日本だと本音をごまかしたり、はぐらかしたりしてしまうし。そういうところも含め、テレビが追わないような、あまり陽の目をみないところにスポットを当てていきたいというのはあります」
――なるほど。でも、どの角度から話を聞いても、テーマは社会派ですよね、やっぱり。
「できたものとのギャップがね(笑)」
――いえいえ。個人的には一歩間違わずに(笑)いてくれた方が楽しいですけど。
「なにせ“セイシ”をかけた戦いですから(笑)。どう間違っても社会はドキュメンタリーにはなりませんねぇ」
映画監督。10代の頃からお笑いコンビで活動。10年続いたコンビが突然解消となり、途方に暮れる。その後、独学で映画制作の道へ。これまでに手がけた長編、短編が国内外の30を超える映画祭で入賞・受賞するなど、注目を集めている。「ノーマネー、ノー真似」でオリジナリティある作品を創作する映像ゲリラ集団「シネマ健康会」の代表も務める。
●映画『花子の日記』公式HP http://hanakononikki.com/
●シネマ健康会 http://www.cineken.com/
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