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キミが嘘をついた
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「お互いさま、ってことよね」
キミはそう言って、とてもキレイに笑った。
それが少し眩しくて、ボクは思わず目をそらした。
ボクはいつでも優柔不断で、
どうやってキミに別れを切り出そうか、ずっと迷っていた。
言い訳がましい言葉しか浮かんで来なくて、何も言い出せずにいたんだ。
そんなボクに、キミはいとも簡単に別れを告げた。
「他に好きな人がいるの」
あの時、ボクはホッとしていたんだ。
自分が別れを切り出さなくてよかったことに。
そして、ボクだけが悪いんじゃないってことに。
ボクがキミを裏切っていたように、キミもボクを裏切っていた。
それを知ってボクは、とてもホッとしていたんだ。
あの日、あの時を最後に、
キミはボクとのつながりを見事なまでに断ち切った。
友だちも、お気に入りのお店も、すべてをボクに残して、
まるでキミは最初から存在していなかったみたいに消えてしまった。
だから、今日まで知らなかったんだ。
自分だけが幸せに暮らしていたなんて。
あの日、キミはありもしない自分の裏切りを告白した。
別れを決断できず、キミを裏切り続けるボクに耐えられずに。
そしてボクの裏切りが、
キミの心が壊れるほどひどい仕打ちだったことに、
ボクは気づきもしなかった。
あの時見せた眩しいほどの笑顔は精一杯の強がり。
そして、キミの最後の優しさだったってことにも…。
キミが、嘘をついた。
悲しすぎる、優しすぎる嘘を。
キミが、嘘をついた。
朗読/蒔苗勇亮
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