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軽いくちびる
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キスなんて挨拶みたいなもん。
たいした意味なんてないって思ってた。
女ともだちと「久しぶり」っていう代わりに
ちょっとキスして、ハグして。そんなもんでしょ?
そんなオレが恋をした。
挨拶代わりにキスできる男が、
まともに会話すらできない恋を、した。
純情な中学生でもあるまいし、と自分で自分を嘲笑う。
でも、手を伸ばしても届かなくて、
振り向いてほしいのにどうしようもなくて。
彼女を見つめる以外に何もできない恋を、オレはしたんだ。
そして、あの夜。飲み会の帰り道。
したたかに酔っ払ったオレは、彼女とふたりで歩いていた。
たまたま方向が同じというだけの偶然。
それ以上でも以下でもなかった。
たぶん、魔がさす…というのはこういうことなのだろう。
唐突に立ち止まり、オレは彼女にキスをした。
気が遠くなるほど長く、でも本当はほんの一瞬の出来事。
くちびるが離れる瞬間、雫がポタリとオレの頬に落ちる。
静かにオレの頬を濡らす彼女の涙は、
強烈な痛みとなってオレを打ちのめす。
その夜、オレは初めてキスの重さを知った。
朗読/岩切裕晃
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