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アフタヌーン・ブレイク
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たぶん、今日の僕は疲れていた。
いつもなら足を向けないケーキ・ショップに
ふと立ち寄ってしまったのがその証拠。
真っ白でシンプルな佇まいが、
なぜか、僕を歓迎しているように見えた。
吸い込まれるようにショーケースを覗いてみると、
ごくごくシンプルなケーキたちがすまし顔で並んでいる。
華美なデコレーションなど必要としない、
そっけないほどの潔さに思わず見とれてしまう。
なんて自信と気品にあふれているんだろう。
ふいに、ここ最近の自分が滑稽に思えてきた。
どれほど自分をよく見せようと、見栄をはり、
言葉を飾り立て、無理に背伸びをしてきたことか。
疲れるのもあたりまえだと、苦笑してしまう。
とりあえず、
シュークリームを買って外に出る。
やわらかな木漏れ日が降り注ぐ並木道まで歩き、
ベンチを見つけて腰を下ろす。
そして、パクリ、とシュークリームにかぶりついた。
ひと口で自然と笑みがこぼれてくる。
なんて正直で、やさしくて、美しい味なんだろう。
いっそ無骨と言っていいほどのシュークリームから、
表現しきれないほど豊かな美味しさがあふれてくる。
なんかもう、完敗って感じだった。
よく晴れた、午後の空を見上げながら密かに心に誓う。
無駄なデコレーションに頼るのはもうやめよう。
等身大の自分で一歩ずつ歩いて行こう。
このケーキのように、胸を張って、まっすぐに。
朗読/蒔苗勇亮
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