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エンドマーク
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最初から間違っていた、とは言いたくない。
けれど、どう伝えていいのかわからなくて、
誤解され、遠ざけられ、扉を閉ざされてしまった。
ひと目見た時から、手に入れたいと思った。
その瞳に映りたいと願った。
唇からこぼれる甘い吐息とともに、
この名を呼んでほしいと、欲した。
けれど、望みはもう叶わない。
この名を呼ばれることはない。
その瞳に映ることもない。
手に入れることなど、できるはずもない。
だから今夜も、街をさまよい歩く。
重たい足を引きずるようにして、
キミのいない場所へ、キミから遠く離れた場所へ。
行き交う車の音が、遠くに聞こえる。
すぐ目の前を走っているはずなのに。
ゆっくりと、周りの音が消え、
世界から切り離されていくのを感じていた。
あぁ、これでやっと楽になれるのか。
キミを忘れて、すべてを忘れて。
ようやく、恋が終わる。
朗読/空閑暉
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