世の中、
しょーもない女にハマッてしまう男は、思いのほか多い。
まぁ、かく言うオレもそのひとり。
約束は守らないのが正しいと思っている女。
プレゼントを際限なくねだる女。
ニッコリ笑えば何でも許されると思っている女。
嘘も涙も自由自在に操る女。
例を挙げればきりがない。
「どうしてオレのまわりにはロクな女がいないんだろう」
思わずこぼれた愚痴に、
「お前が呼び寄せてんだぞ、わかってるか?」
と、悪友はのたまった。
まさか。そんなバカなことがあるかっ!
と、息巻いてはみたものの、
見事なまでに揃いも揃ってロクデモナイ、
というこの状況を冷静に顧みれば、
悪友の言う通りかもと思えてくる。
もしかして、
ダメダメ女子だけにアピールするフェロモンでも
出ているんだろうか、オレの身体から。
いくら何でもイヤすぎる。
じゃあ、オレのどこが悪いんだ?
と、開き直ってみるものの
自分ではさっぱりその謎が解けない。
理由がわからなければ、
修正のしようも、努力のしがいもない。
もう、お手上げだ。
かくしてオレは、
ダメダメ女子限定フェロモンを垂れ流しながら、
これからも幸薄い恋を重ねてゆくのだ。
それが、デフォルト。
それが、デスティニー。
あぁ、幸せって、なんだっけ?
朗読/木村浩平